古本道場

◇天気、晴れ。湿気がすごい。

木曜日なので開店日。朝、起きるとペリカン便が長野県のフリー情報誌「日和(ひより)7月号」を届けてくれる。この「日和」の「日和文庫」という本の紹介欄に毎月2冊の本を「追分コロニー」として紹介することになったのです。今回がその第一回。紹介した本は「古本道場/ポプラ文庫」と「「最長片道切符の旅」取材ノート/新潮社」の2冊。

「古本道場/ポプラ文庫」には実は思い出がある。というのは、この本が3年ほど前に単行本として発行されたときに、古書会館の地下で著者の「角田光代さんと岡崎武志さん」の発行記念トークショーがあり、そのトークショーの後でお二人に本のサインをいただく時に、あつかましくも、「今度、長野県の追分というところで古本屋を開店すべく準備をしているものです」と自己紹介をして、「長野のルデュを目指しています」と言い放ったのでした。すると、やさしい角田さんと岡崎さんのお二人は、「めざせ長野のルデュ!」と書いてサインをしてくれたのでした。以来、この「古本道場」はわれわれの宝物のような本になったのです。

なぜルデュと言ったかというと、当時、岡崎武志さんが海外の古本屋を訪ねるといって、ヨーロッパに行った文章を読んでいたのと(「古本極楽ガイド/ちくま文庫」)、テレビで山口昌男さんが「わが心の旅/本のエロス(このタイトルが良くて忘れられない)」というベルギーの古本屋を歩く番組をしていて、特に番組最後のルデュの青空古本市のシーンにしびれていたからでした。このとき以来、いつか追分でもあの番組のような青空古本市をしてやろうと思ったのでした。

今は、一軒の古本屋として自立するのに必死でやっていますので、まあ、この追分での青空古本市はいつのことになるやらわかりません。あれもしたい、これもしたいという古本企画は山のように持っているのですが、いまは足元を固める日常に追われています。その日常ですが、夕方に店に行くと木曜日なのまずまずの売上、ということで店主はご機嫌でした。新着アップ4冊。