そうは簡単ではない

◇天気、曇り時々晴れ

木曜日なので開店日、しかし、今日は閑散でした。静かな一日ということで本の整理をする日でした。こういう静かな日になると、信州=観光地での古本屋の課題は繫閑の落差をいかに克服するかということを思わざるを得ません。

繁忙期は春〜秋の週末、平日と冬は閑散期です。もちろん繁忙期でも黙っていたらお客様は来てくれませんので様々な観光地としての魅力をアピールする情報発信が必要、そして閑散期はネットでの販売などが大事になります。もちろん古本の仕入れと買取本の市場での販売のために古書組合のセーフティネットに加入していることも必要不可欠と思います。

最近、信州での本の活動が元気であると言われることがあります。しかし、うわべ的には本の活動が活発であっても、実態はそうは簡単ではありません。

少し前に雑誌「ソトコト」から電話があり、「本のまち・軽井沢」を取材したいとのこと、趣旨を聞きますと、信州の本の活動として、高遠/善光寺前/小布施/軽井沢を記事にする企画を検討中だとのこと。残念ながら軽井沢は取材をお断りしました。

理由は「そうは簡単ではない」ということです。雑誌としては記事にするのは簡単でしょう。でも簡単に記事にして、大事な大事な育てていくべき「本の活動」を雑誌ネタとして消費して終わりにしてほしくないのです。踏み込んだ取材をして、問題提起をしながら建設的な記事が書ければ良いのですが、現時点ではそういうことは正直難しいと思わざるをえません。

そうなると、ブックツーリズムとかの実態のない言葉と表面的な写真、関係者のインタビューくらいでしょうか。もちろん記事もタダの宣伝だと思えば、目くじらを立てる必要もないのですが、あまりに安易であれば、宣伝どころか逆効果になる可能性の方が大きいと危惧しないわけにいきません。

とくに高遠の「本の町」は県からの補助金15百万円をテコに大規模なブックフェスティバルというのを開催しました、全国でももっとも資金が豊富な本のイベントです。しかし、補助金がなくなる来年以降はどうするのか、「本の町」という活動が失速する印象を関係者に与える懸念というか失望感のリスクは少なくないと感じます。

「本のまち・軽井沢」は身の丈の活動を始めて2年、ここまでは好意的に応援していただく声もたくさんいただきました、しかし、来年以降も順調かと言えば、それは「簡単ではありません」。そこのところをこの冬にじっくり考え、来年の方向性をしっかり考えていきたいと思います。新着アップ8冊