「悪」である

◇天気、晴れ

秋雨前線の雨が一休止ということで晴れです、ここ何日科の雨で店の裏の小池の水位が満杯になりました。

木曜日で静かな追分、本の整理を続けながら店番をしていると一人のお客様がかなりじっくり棚を見ている、明らかに古本好きの方だ。お支払いのときに「買うのではなく本当は売りたい本が部屋に一杯あるのだけどネ」と。年齢を考えて蔵書をどうするか困っているとのこと、家族に聞くと誰も要らないという、近所の古本屋さんの何軒かに聞いても(安くないと)買えない、と言う。

古本屋さんが本を買えないのは、本が売れない、というか安ければ売れるのだが、買取に関して言えば古書相場が大きく下落しているので良い蔵書をもっている人ほど買取の査定価格を聴くと驚いてしまうと思います。

店頭の均一本や即売会の安売り本をため込んだ人が古本屋になって、自慢話で「本は安い方が良いと言っている」のもいるくらいで、しかもそのような古本屋を教祖みたいに仰いで安い本しか買わないという信者のような集団もいるという。しかし、上に書いたお客様のように蔵書をどう次の読者に引き継いでいくか悩んでいる人と話をするたびに本を買わないことは古本の世界にとっては「悪」であると思わざるをえない。

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