倒木で閉じ込められる

◇雨と風は早朝に止み、夕方は晴れ。昨夜の台風の脅威を見て、ただ呆然とする。

朝起きると山小屋の周りは倒木だらけ。山小屋のすぐ近くにある赤松と白樺が山小屋をかすめるように倒れている、寝ているときにドシーンという音を何回か聞いた気がしたが、風と雨の音もすごいので木がこんなに倒れていることには気がつかなかった。まあ気がついていてもどうしようもなかったが、山小屋が木でつぶされる危機一髪だったナ。桜の木、ドングリ、みんな倒れている。そして車の方を見ると車の前後、車自体にも白樺、松、ドングリの倒木が。車が倒木で閉じ込められているではないか。車もボコボコだ。すごい光景で呆然とする。

それでも周りの風景のすごさからすれば、怪我もないわけだからと気をとりなおして家の周りの片付けを始める、倒れている木をノコギリできりながら何とか林道まで歩ける道を作ったら昼を過ぎていた。そして車のまわりの倒木を片付け始めたところで、この山小屋を作ってくれた岩村田町のNさんが来てくれる。お客さまのSOSの連絡を受けて軽井沢町内を見回り巡回しているところという。車が倒木で押しつぶされそうなのを見て、「大きな木を切るチェーンソーを持ってきて助けてくれる」と言う、アリガタイ。昼3時ごろまでにNさんに助けてもらいながらなんとか車の周りの倒木を片付ける、車はボコボコだがエンジンがかかるので不幸中の幸いとしよう。車の修理代、家の周りの倒木の整理などを考えると痛い痛い出費である、が、歴史に残る災害をこれくらいの被害ということでむしろ感謝しなければならないか。

車を救出できたので今度は店のほうに行く。店は駐車場に大きなイチイの木が倒れているが、それ以外の損害はなさそうだ。しかし、店の裏にある池はあふれており、この池は山からの湧き水があるせいか裏庭全体を湿地のような水田状態にして水が隣りの油屋さんの方に小川となってチョロチョロと流れている。その隣の油屋さんでも大きな木が何本も倒れている。店に入って、店の中の被害がないことを確認して一息つく、しかし、夕方になっても追分は停電が続いており、2日目のローソク暮しを覚悟したところで、6時過ぎに中部電力の工事の車が店の前で止まる。急いで外に出て状況を聞くと中山道沿いだけは復旧するという。ということで、店の停電は復旧し、早速このブログを書いています。山小屋のある林道の復旧のメドはたたないとのことですが、まずは一歩前進。明日は町全体が災害復旧で古本どころではないだろうが、頑張って店を開けよう。