「彷書月刊」の2010年1月号

◇天気、晴れ

今日も快晴、気温も緩んで氷点下の世界から脱出です。この天気の間にということでゴミ出しや、銀行・郵便局周りなどをして店に行って開店。

今日は「彷書月刊」の2010年1月号が届きました。特集は「2010年からの古本屋」、早速、パラパラと読んだのですが、巻頭のベテラン古本屋さんによる座談会は、ボヤキというか嘆きのような発言が続き、インターネットの販売が進んで安売りが加速していることの解決策がなくお手上げという感じの座談会。「悪書は良書を駆逐する」という経済(グレシャム)の法則の脅威に古本業界の未来はないという結論でしょうか。

昨日のこの日記で指摘したように均一本を買うことは大流行なのだが、古本屋の方でも東京の展示会などで古本屋の間の安売り競争が加速している。しかし、一方で、ブックオフなどでは本の文化を守れないというお客様は結構多いのも事実。安売りの問題は他の業界、例えば、食品などで暴露された品質や期限詐称の問題、あるいはタクシーやバス業界での安全確保の問題を見れば明らかだ。安売りによるサービスの低下が限界を超えたレベルまで進むと社会のモラルを崩壊させたり、時には信じられない犯罪にまでつながるのである。

「安い本しか買わない=掘り出しものを見つける」ことだけを称賛したり囃したてるのは、実は古本文化を衰退させることになっているのだ。そのことが「わかっていない」人が少しでも「わかってくれる」とよいのだが。これは「自分が投票しても結果は同じだと思って投票にいかない」選挙と同じで、「自分が古本屋で少しくらい買ってもなにも状況はかわらない、だから自分はブックオフにいくのだ、だれかが古本屋でしっかり買えばよい」と思って、毎日呑気にブログで「掘り出し」を自慢しているようでは「まだわかってはいませんよ」ということになる。

この「彷書月刊」の2010年1月号、当店で3冊入荷していますので新刊本の本棚で販売しています。新着アップ9冊。