蔵書の相場
◇天気、曇り
市場に行った翌日ですが今日も買取があって朝から出動しました、場所は隣の御代田町です。
買取りをしていて古本屋としてつらいのは、本好きの方はみな結構な蔵書を持っていて、今日のお客様もそうなのですが、その蔵書の相場が買ったときの水準から大きく下がっていることです。
今日のお客様も本の値段が下がっているのでガックリきているのですが、置く場所などを考えて売りますとのことです。
古本屋はいくら「誠実買取」と言っても現在の相場より高く買取をすることはできません。なぜならインターネットの時代となって古書の値段は誰でもネットで検索すればわかるわけで、ネットで取引されている価格以外で売買することはできないからです。
そういうネット時代の厳しい状況は、古本屋や古本屋好きの間で共通の問題認識だと思うのですが、とある古本屋さんが「良本を安く売りたい」と言っている文を見てしまいました。
古本の値段はもう十分に安く、多くの古本屋は貧血で倒れそうになっているし、蔵書をもっている人は本の値段が下がって嘆いているのです。
「古本の危機」をどうやってアピールしていくか、この古本屋さんのナイーブな発言をあらためて見ると、それは簡単ではないと思わざるを得ません。