今年を振り返ると(3)

◇天気、曇り後晴れ

クリスマスの朝、どんよりした曇り空で浅間山は見えない。今日はまず、処方箋をもらうため借宿(カリヤド)地区にある病院に。病院では長く待つことが多いが、今日は「『本とつきあう法』中野重治 ちくま文庫」を持っていってほぼ読了する。病院の待合室はサティのピアノ音楽などがかかっていて読書空間として最高でした。

そのあと、山小屋に戻ってゴミ出しをして、町のゴミ処理場に。大掃除の季節ということで、人が次から次にきていました。雑誌や新聞を置くコーナーは満杯状態。店に戻って本の梱包をして郵便局、再び店に戻って本の整理を夕方まで。

今年を振り返るということでは、春に家族で「卒業旅行」と称してイギリスに行きました。念願の湖水地方コッツウォルズ地方を訪ねることができたわけですが、その町並みからはたいへんな刺激を受けたというか、「村の古本屋」として勉強ができました。イギリスはアメリカとともに日本の10年くらい先を行く資本主義国の先輩であり、安売りの大型古本屋やアマゾンのよう古本を大規模で販売するサイトが栄える中で、町の古本屋がどのようにして生き抜いているかというのを見れた気がします。一言で言えば、古本屋は、サッカークラブやテニスクラブ、あるいはバーやカフェのような仲間が集う場所として残っているということです。日本では珍しい会員制の古本屋もたくさんあります。おそらく日本でも同じようになっていくと思いますが、追分コロニーも古本屋を大事にしたいと考える古本屋サポーターみたいな人が集う場所になっていければというイメージがはっきりと持てました。

追分では「軽井沢町の再整備事業」が始まろうとしています。軽井沢町が広報などを通じて発表した計画案は、追分地区が過去に町に提案していた案をベースにした「歴史と自然景観」を保存していく内容に沿っています。そのようなハード面の整備が進むのと並行して、「追分コロニー」も古本屋として、たとえば文学散歩道を散歩した人たちが休んだり、本を読んだりする場所として、あるいは、イベントなどを通じて追分の歴史と自然を楽しむ場所として頑張っていきたいと思うのです。そのような考え方から、来年は軽井沢町の「再整備事業」をサポートしていきたいと思います。新着アップ6冊