古本と古書

◇天気、晴れ

暑さが続いていますが、お盆休みで追分はのんびりしている雰囲気です。

海文堂の中の古本屋について書く前に、古書価について少し説明しておきます。いわゆる広義の「古本」は、狭義の「古本」と古書に大別されます。狭義の古本は文字通り古い本で新刊本がまだ買える本か、あるいは絶版となっておらず増刷が可能な古本です。

一方、古書は新刊本ではすでに販売されておらず、絶版となっている本です。この古本と古書は値段の動きがまったく違います。

古本は新刊本が存在しているか、あるいは増刷がされたり、文庫として安い定価で販売されますので、古本の値段は定価を越えることはありません。綺麗な本でだいたい定価の半分くらいで、本の状態などの理由で店頭で100円までの値段となります。

一方、古書は絶版となっているわけですから、本の供給が少ない状態の本であり、なんらかの理由で本の需要が増えますと、宝石、美術品、奢侈財のように値段は高騰することがあります。

古書店の最大の役割は、良書を後世に引き継いでいくことが仕事ですので、「古書」を発掘してそれを愛書家の人に紹介し買ってもらう、ということが大事な役割になります。

従って、古書を扱う古書店は本に価値を見つける作業をしているため、「本を安売り」するという態度にはなりません。また古書を探すお客様は値段よりも良書に出会う努力をする傾向にあります。

一方、古本を主に扱う古本屋は売り上げを上げる目的の安売りは常套手段になります。また古本が好きというお客様は基本的には、安く売られている本の山から本を掘り出すことに一生懸命になります。

これは「古書」がよいとか「古本」が悪いとかいう話ではなく、いわゆる広義の古本には2種類があるという話です。

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