本の大海を知ってほしい

◇天気、晴れ

晴れ、昨日に続いて穏やかな初冬の一日。せっせと薪運びをしました。

店番を店主にお願いして総務的なこと、夕方に本の整理を少し。古書店の業者市である明治古典会ですが、どんな市場か少し想像しにくいところと思います。誤解を恐れずに少し書きますと..

ここ数年はブックオフや古書の即売会で100円均一などを掘出し的に漁るのが大流行で、中にはそれらの安い本をため込んで古本屋を開店する猛者もいたり、いくらで買ったとか自慢話、蘊蓄話をする者いたり、それらの猛者の教祖的存在や信者のような古本好きも沢山いたりで、そちらが古本好きのメインストリームかと思います。

で、明治古典会で取引される商品は、それとはまったく対極の取引です。ネットで検索してもヒットしないような商品とか、市場に出品されたときに買わなくては買えないような一期一会のような商品、骨董のように稀少ものを値段的には高く取引する市場です。ちなみにこれらの優良商品は古書目録を通じて販売がされていますが、この市場の良いところは、自分としては、やはり良いものを見ると、何が良いかという古書の価値基準が豊かになることかと感じます。

逆に100円本しか頭にない人は、井の中の蛙大海を知らず、井戸の外に豊かな古書の大海が広がっているのがわからないと思います。若い世代で本が好きな人はぜひ、豊かな本の大海があるということを知ってほしいと願う次第です。